常に胃が気持ち悪い…。機能性ディスペプシア
「朝起きたときから胃が気持ち悪い」
「食べていないのに胃がムカムカする」
「食事をすると、さらに気持ち悪くなる」
「一日中、胃がスッキリしない」
このような胃の不調が続いていませんか?
胃の気持ち悪さが続くと、「何か病気があるのでは?」と心配になると思います。
ところが、胃カメラなどの検査を受けても大きな異常が見つからない。それでも胃のムカムカや胃もたれ、食後の不快感が続いている。
このような胃の不調で考えられるものの一つが、機能性ディスペプシア(FD)です。
今回は「常に胃が気持ち悪い」という症状と機能性ディスペプシアについて、東洋医学・鍼灸の考え方も交えて解説します。
機能性ディスペプシアとは?

機能性ディスペプシアとは、胃もたれや早期満腹感、みぞおちの痛みなどが続いているにもかかわらず、内視鏡検査などで症状の原因となる明らかな異常が見つからない状態です。
代表的な症状には、
• 食後に胃がもたれる
• 少し食べただけでお腹いっぱいになる
• みぞおちが痛む
• みぞおちが焼けるように感じる
などがあります。
人によっては、胃のムカムカ、吐き気、食欲不振、お腹の張り、げっぷなどを伴うこともあります。
胃が激しく痛むわけではなくても、「ずっと胃の調子が悪い」「胃のあたりがスッキリしない」という不快感が続くこともあります。
検査で異常が見つからないからといって、症状が気のせいというわけではありません。胃の不調が続けば、食事や仕事、外出など日常生活にも影響します。
なぜ常に胃が気持ち悪くなるのか?
機能性ディスペプシアは、一つの原因だけで起こるものではありません。
胃には、食べ物が入ると広がって受け入れ、消化しながら少しずつ十二指腸へ送り出す働きがあります。
この働きがうまくいかなくなると、食べ物が胃に残っているように感じたり、少量でもすぐにお腹がいっぱいになったりします。
また、胃が刺激に対して敏感になり、本来ならそれほど気にならない刺激でも「苦しい」「気持ち悪い」と感じることがあります。
そのほかにも、胃酸、ストレス、自律神経、睡眠不足、疲労、食生活など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
そのため、単純に「胃が弱っているから」と、一つの原因だけでは説明できないことがあります。
空腹でも胃が気持ち悪くなる?
「食べ過ぎたわけではないのに気持ち悪い」
「何も食べていないのに朝まがムカムカする」
という方もいます。
胃の不調というと、食べ過ぎや脂っこい食事が原因と思われがちですが、必ずしも食後だけに症状が出るわけではありません。
空腹時の胃酸の刺激や胃の知覚過敏、睡眠不足、疲労などが重なることで、朝から胃の不快感を感じることもあります。
食事を抜き続けると、かえって体力や生活リズムに影響する場合もあります。一度にたくさん食べず、食べられるものを少量ずつ摂るなど、自分の状態に合わせた工夫が必要です。
ストレスと胃の関係

「仕事が忙しくなると胃が気持ち悪くなる」
「緊張すると食欲がなくなる」
「休日になると少し胃が楽になる」
このように、ストレスや緊張と胃の調子が連動している方も少なくありません。
胃腸の働きには自律神経が深く関係しています。
ストレスや緊張が続くと、自律神経を通して胃の動きや胃酸の分泌、刺激の感じ方などに影響することがあります。
ストレスで症状が変化するからといって、「気の持ちよう」という意味ではありません。胃だけでなく、睡眠や疲労、生活リズムなども含めて考えることが大切です。
東洋医学では胃の不調をどう考える?

東洋医学では、胃腸の不調を考えるときに「脾(ひ)」と「胃(い)」の働きを重視します。
ここでいう脾は、西洋医学の脾臓そのものではありません。
東洋医学では、食べたものを消化し、身体に必要なものを取り込んで全身へ運ぶ働きを「脾胃(ひい)」として捉えます。
脾胃の働きが弱くなると、
• 食欲がわかない
• 食べると胃が重くなる
• お腹が張りやすい
• 少量で満腹になる
• 身体がだるい
• 軟便や下痢をしやすい
などにつながると考えます。
そのため、胃の症状だけでなく、便通、疲れ、冷え、睡眠なども確認します。
胃のムカムカと「胃気上逆」

東洋医学では、胃の気は本来、下へ降りていくものと考えます。
食べたものを消化し、腸へ送り出していく働きです。
しかし、冷えや疲労、食生活の乱れ、ストレスなどによって胃の働きが乱れると、下へ降りるはずの胃の気が上へ逆らうことがあります。
これを胃気上逆(いきじょうぎゃく)といいます。
胃気上逆になると、胃のムカムカ、吐き気、げっぷ、胃酸の逆流、みぞおちのつかえなどにつながると考えます。
また、ストレスや緊張が続いて「気」の流れが滞ると、胃の働きにも影響します。同じ胃の気持ち悪さでも、胃腸の弱りが中心の方、ストレスの影響が強い方、冷えが関係している方など、身体の状態は一人ひとり違います。
機能性ディスペプシアに対する鍼灸

鍼灸では、胃の周辺だけではなく、手や足、背中などにあるツボも使用します。
胃腸の不調でよく使われるツボには、足三里(あしさんり)や内関(ないかん)などがあります。
足三里は膝の下にあり、胃腸と関係の深いツボとして使われてきました。
内関は手首の近くにあり、胃のムカムカや吐き気などがある場合に選ばれることがあります。
ただし、「機能性ディスペプシアだから足三里」と、全員に同じ施術をするわけではありません。
胃腸の働きが弱っているのか、ストレスや緊張が強いのか、冷えがあるのか、疲労が蓄積しているのか。身体の状態を確認しながら、その方に合わせてツボを選びます。
症状が出ている胃だけでなく、胃腸の働きに影響している身体全体の状態をみることが、東洋医学・鍼灸の特徴です。
「検査で異常なし」でも我慢しない
胃カメラなどの検査で「大きな異常はありません」と言われると、安心する一方で、「それなら、この気持ち悪さは何なの?」と思う方もいるでしょう。
検査で異常が見つからなくても、実際に感じている不快感がなくなるわけではありません。
常に胃が気持ち悪い状態が続くと、食事が不安になったり、外食を避けたり、仕事に集中できなくなったりすることもあります。
ただし、胃の気持ち悪さがすべて機能性ディスペプシアによるものではありません。
症状が続く場合は、まず医療機関で胃の状態を確認することが大切です。繰り返す嘔吐、体重減少、黒い便、強い腹痛、飲み込みにくさなどがある場合は、早めに受診してください。
堺市で「常に胃が気持ち悪い」とお悩みの方へ
「朝から胃が気持ち悪い」
「食べても食べなくても胃がスッキリしない」
「胃カメラでは大きな異常がなかった」
「ストレスがかかると胃の調子が悪くなる」
このような胃腸の不調が続いている場合、機能性ディスペプシアなどが関係している可能性があります。
東洋医学では、症状が出ている胃だけを見るのではなく、脾胃の働き、胃気上逆、冷え、疲労、睡眠、ストレスなども含めて身体の状態を考えます。
堺市で機能性ディスペプシアや胃腸の不調にお悩みで、医療機関での治療と並行して鍼灸を取り入れたい方は、菜の花はり灸院整骨院へご相談ください。
この記事の監修・執筆
菜の花はり灸院整骨院 院長 青木宏之
はり師・きゅう師・柔道整復師(3つの国家資格)
臨床14年/経絡治療(東洋医学)
大阪府堺市堺区北田出井町3-5-12
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療や鍼灸による効果を保証するものではありません。


コメント